2010年 12月 07日
2010年秋 その4 夕焼けのむこう |
11月某日。夕刻。
横浜みなとみらい、隅田川に次いで第3弾。
目白の高台から新宿六本木方面を見る。
空が高い。
暮れなずむ夕日をカメラに収めた。
翌朝の新聞で佐野洋子さんが逝ったと知った。
私がぼんやりとあの夕焼けを眺めていた頃かあ。。。
最初は娘ほど若くて有能な編集者A.Y.さんからのプレゼントだった。
一気に読み終わってたちまちファンになった。
以来、彼女の絵本ではなくてもっぱらエッセーを愛読している。
ちょっと乱暴で、時々無遠慮で、
思い切り言いたい放題的な文章の向こう側に。
ズバリと言い切ったその先に。
とびきりのユーモアと…
なんとも優しい彼女のまなざしがキラリと光る。
ページを開く度に
時に声を出して笑いながら、
日常に潜むさまざまな問題を考えさせられたり、
ここまで正直に書いてしまって大丈夫なのか?と
人ごとながらちょっと心配したりもした。
私よりひと回り早く生まれただけで天と地くらい異なる時代背景、
彼女を取り巻く家族環境。
そこを生き抜いて来たバイタリティーにはかなわないなあ、と感嘆しつつ、
でも、彼女の子供の頃の思い出には私も充分共感出来る。
私も子供の頃に道ばたの葉っぱ扱いて青臭い匂いを嗅いでいたよ、と
同じ心境になりたがって来た。
もっと語って欲しかったけれど、
自らの寿命を知った後も最後まで出来る限りメッセージを残そうと努めて
そうして夕焼けの彼方へと逝った彼女は実に彼女らしいと思います。
天国の神さまの写真を探したけれど無いから
同じ日に東京で見かけた恵比寿さまです。
ステッチハウス店長日記内「きょうのクロスステッチ」もお楽しみ下さい。
by sundby
| 2010-12-07 20:50
| 本