2007年 05月 01日
コペンハーゲンスマイル |
冬が暖かかったせいで、去年より3週間も早いお花見でした。
地下室からフーフー言いながら、椅子とかベンチとか、テーブルを
引っ張り出す作業も「さあ、さあ、花見だ。明るい季節の到来だ!」と
いう気分だから、全然イヤじゃない!くたびれない!
我が家には庭のドまん中に大きな桜の木があって、それが日ごと…否、
時間ごとその色合いを変化させて行くのですから、毎朝、毎昼、毎晩
花見です。もう完全に“お花見週間”で、他の事は手に付かなくなります。
特に桜の香りに包まれる宵のお花見は格別で、怪しいまでも夕闇に
浮かび上がる桜を愛でて飽きる事がありません。
そうして楽しんだ今年の桜も、今は少しの風が吹いたらそのまま
吹雪になって散ってしまいそう、なはかない風情で小枝を揺らしています。
ああ、そんな一瞬もまた美しい…。
お花見三昧の後はサクランボの実るの頃がまた楽しみです。
今年はお天気に恵まれて蜜バチ達が忙しく飛び回ってくれたので、
豊作が期待出来そうです。
そんなわけで我が家の桜は一本で2度美味しい!のです。
【デンマークデザイン事情】
* 出来る人は片付け上手*
結構きれい好きだと自負している私だけれど、いつの間にかこまごました
モノに取り囲まれてしまう。特にキッチンは知らぬ間に調味料や
何やらかにやらで飽和状態になっていると言う事に、ある時突然気づいて
は今さらのように驚いている。その都度片付けているはずなのに、時間と共に
積層になったモノどもが辺りを占領している。これではダメだ!と
反省をくり返し、「きれいだからとっておこうネ。」と思っていたジャムの
空きビンとか、インドっぽい柄が気に入っていたマスタード容器とかを
勇気を振りしぼって捨てる。そんな一大発起の大掃除を敢行している
にも関わらず、エンドレスで新しい積層との戦いが今もなお繰り返さ
れている。我ながら呆れるばかりで、言い換えれば事程左様に整理整頓は
難しい。
私がデンマークに暮し始めた頃、お楽しみのテレビプログラムは、
前述の金曜日のアニメーションとタカシさんはサッカーの試合。そして、
毎夕食後のニュースだった。何気ないニュース番組に目を向けると、
国会の模様が写し出される、デンマーク語の分らない私は内容はニの次で、
もっぱら画面のバックに目がいった。
ナショナル銀行の頭取が外貨為替に付いてコメントする、首相が執務室で
来年の抱負を語る、野党党首が自身のサマーハウスでインタビューに答え、
与党を攻撃する、はたまた、高齢者住宅が写し出され、住人の一人が窓辺の
ソファに寛ぎつつ、境遇改善を訴える。各々、わずか1〜2分のカットの中に
見どころ満載、実に楽しいのだった。
例えば、首相の執務室、座っている椅子は当然のようにベグナーの名作
ザ、チェア、照明はPHランプ。デスクには何気なく季節の花が生けられている。
隣室を颯爽と横切る女性秘書のカッコ良い事!
国会議事堂の内部は国民一人一人が知っていて当然、という感じで至る所が
写し出される。どこも美しい上に開放的で、各党の部屋もなかなか興味深い。
それぞれデンマークを代表する家具でインテリアを整えているのはもちろんの事、
壁に掛かった絵画は各党が好みの絵画を美術館から借りていると
聞いた時には実に全く感心した。なる程、あらためて
ニュースの時に良く見れば、社会福祉党の部屋には明るいモダンアートが、
国家保守党の壁には国旗を掲げた人々が描かれた重厚な油絵が飾られていた
りするのだった。
自宅でインタビューを受けている一般の人々のインテリアも覗き見的で
ちょっと楽しい。
そしてある時に気づいた。しっかり生活している人、有能な人達程片づけ上手と
いうことに!
はじめの内はこんなことで仕事になるのか?実はインタビュー前にあたふたと
片付けたね?!と疑って掛かっていたが、次第にそうではなくて、実際問題
出来る人=当然整理整頓上手、という印象に変わって行った。
もしも、画面に写った政治家のデスク周辺が散らかっていると、出来ない人という
印象を持つようになっていった。
テレビニュースの画面からでも、この国が、公的な場所のインテリアに
心憎いまで配慮している事が分る。国民もそんなことは当然なことと
思っている。恵まれているなあ、と思った。
そして、社会福祉国家の面目躍如、アル中患者もしっかりインタビューされて、
環境改善を訴えてはいるけれど、そう言う人の住まい方はやっぱり
「出来ない人」っぽいのだった。
私も出来る人っぽくなりたい!片付け上手と言われたい!
夕食の片づけもしないまま、テレビニュースを見ながらそう思った。
by sundby
| 2007-05-01 21:29