2006年 06月 01日
超楽観主義的生活考 1 |
私がデンマークにやって来たのは1980年春ですから、
今年で26年目になりました。もしも他人事だったら、
まず最初にこの私が「よくもまあ!」と感心してしまうに違い無いほどの
長期海外生活者だといえます。
右も左も分らなかい時から始まって、
少しずつ日常生活になれ親しんで行った「あの頃」。
家具デザイナー、タカシさんとの生活から学んだ北欧デザインの世界とその魅力。
やがて娘が生まれ育って行く中で感じた事。
親になって始めて学びえた事。
そして、この国が抱えている福祉国家ゆえの悩みまで。
時に怒り、涙して。でもたいていは喜び笑って明け暮れた。
これは、そんな私の80年代コペンハーゲン物語りです。
*超楽観主義的生活考 1*
デンマークに住むタカシさんとヒョンなことから結婚する事になった私は、
周囲の心配をよそにまるでお隣にでも引っ越すような気持で荷物をまとめ始めた。
船便で送る段ボールをいくつか作った後、最後のトランクには2つだけ、
とても大切なものが入っていた。
一つは結婚のお印とでも言おうか、「これからよろしく」の気持を込めて
何かプレゼントをしたいなあ、と考え抜いた挙げ句の閃きアイテム、
ローラースケートシューズ。言っておくが、タカシさんにスケートなどという
趣味は無い。
ましてや私に至っては一度も試した事が無い。じゃあ、なぜ?と聞かれると困る。
ただ、思案しながら通りがかったお店のショーウインドウで見かけた途端に
「これだ!」と思った。そして迷わず誂えた。
3週間待って出来上がったスケート靴は真っ白の革製で、ご丁寧に赤と黄色の
ローラーが交互に配され、ヒモは何色にしようかと散々迷って決めた真黄色。
オーダーした通りだったが、完成品をあらためて見ればサーカスのピエロ的配色で、
まことにめでたいオーラが出ていた。
スケート靴はかさばる。それに結構重い。トランクはそれでほぼ一杯になって
しまった。周辺の隙間になにやかやと詰め込んで、最後にもうひとつの大切なもの、
母から贈られた料理の本を平らに乗せると私はトランクの蓋を閉じた。
今年で26年目になりました。もしも他人事だったら、
まず最初にこの私が「よくもまあ!」と感心してしまうに違い無いほどの
長期海外生活者だといえます。
右も左も分らなかい時から始まって、
少しずつ日常生活になれ親しんで行った「あの頃」。
家具デザイナー、タカシさんとの生活から学んだ北欧デザインの世界とその魅力。
やがて娘が生まれ育って行く中で感じた事。
親になって始めて学びえた事。
そして、この国が抱えている福祉国家ゆえの悩みまで。
時に怒り、涙して。でもたいていは喜び笑って明け暮れた。
これは、そんな私の80年代コペンハーゲン物語りです。
*超楽観主義的生活考 1*
デンマークに住むタカシさんとヒョンなことから結婚する事になった私は、
周囲の心配をよそにまるでお隣にでも引っ越すような気持で荷物をまとめ始めた。
船便で送る段ボールをいくつか作った後、最後のトランクには2つだけ、
とても大切なものが入っていた。
一つは結婚のお印とでも言おうか、「これからよろしく」の気持を込めて
何かプレゼントをしたいなあ、と考え抜いた挙げ句の閃きアイテム、
ローラースケートシューズ。言っておくが、タカシさんにスケートなどという
趣味は無い。
ましてや私に至っては一度も試した事が無い。じゃあ、なぜ?と聞かれると困る。
ただ、思案しながら通りがかったお店のショーウインドウで見かけた途端に
「これだ!」と思った。そして迷わず誂えた。
3週間待って出来上がったスケート靴は真っ白の革製で、ご丁寧に赤と黄色の
ローラーが交互に配され、ヒモは何色にしようかと散々迷って決めた真黄色。
オーダーした通りだったが、完成品をあらためて見ればサーカスのピエロ的配色で、
まことにめでたいオーラが出ていた。
スケート靴はかさばる。それに結構重い。トランクはそれでほぼ一杯になって
しまった。周辺の隙間になにやかやと詰め込んで、最後にもうひとつの大切なもの、
母から贈られた料理の本を平らに乗せると私はトランクの蓋を閉じた。
by sundby
| 2006-06-01 20:16
| ティンガーデン